計算屋
住宅・お金更新 2026年4月26日

賃貸 vs 持ち家 損益分岐 何年で逆転?シミュレーター

「賃貸と持ち家、結局どっちが得?」を、年単位の累計コスト比較で見える化します。物件価格・頭金・ローン金利・期間・家賃・想定居住年数を入力すると、月々の住宅ローン返済額に加え、固定資産税・管理費・修繕積立金・火災保険・家賃インフレ・物件価値の減価を織り込んで、何年目で持ち家が賃貸を逆転するかを算出。短期居住か長期居住かで答えは大きく変わります。

計算機

入力

物件価格の10〜20%が一般的。0でも可(フルローン)。

%
円/月
%/年

近年は0〜1%が目安。築年劣化と相殺されやすい。

%/年

マンション 1〜2%、戸建て 2〜3%が目安。

計算結果

損益分岐

1年目で持ち家が逆転

月ローン返済額 ¥118,592

30年後の累計コスト比較

持ち家:累計支出
¥64,433,120
持ち家:物件残存価値(−)
-¥28,595,614
持ち家:実質負担
¥35,837,506
賃貸:累計支出
¥66,284,631

差額(賃貸 − 持ち家net):¥30,447,125 持ち家が得

※ 住宅ローン控除(最大455万円・13年)は本計算に未反映です。実態では持ち家側が200〜450万円ほど有利になります。

この計算機でわかること

「賃貸と持ち家、結局どちらが得なのか?」という問いに、年単位の累計コスト比較で具体的な金額の答えを出します。

  1. 月々のローン返済額 — 元利均等返済で算出
  2. 損益分岐年 — 持ち家の「累計支出 − 物件残存価値」が賃貸の累計支出を初めて下回る年
  3. 居住期間最後の累計支出比較 — 持ち家(売却で戻る分を引いた実質負担)vs 賃貸
  4. 物件価値の減価 — 年単位で物件価格が目減りする様子

短期居住(5〜10年)では賃貸が有利、長期居住(20年以上)では持ち家が有利になりやすい構造を、自分の物件価格・家賃・金利で確認できます。

計算式の根拠

1. 月ローン返済額(元利均等返済)

借入元本 P、月利 r(年利/12)、総月数 n のとき:

月返済額 = P × r × (1+r)^n / ((1+r)^n − 1)

例: 借入4,000万円・年利1.3%・35年(420ヶ月)→ 月約11.9万円。

2. 持ち家の年間維持費

費目マンション戸建て出典
固定資産税物件価格×0.3%物件価格×0.3%総務省「固定資産税」
火災保険1.5万円2.5万円損保各社相場
管理費14.4万円国交省マンション総合調査
修繕積立金14.4万円同上
修繕費(戸建て)8万円一般財団法人住宅金融普及協会

固定資産税は「課税標準×1.4% × 軽減特例」を経て、実効で物件価格の0.2〜0.4%が一般的です。本計算機では中央値0.3%を採用しています。

3. 取得時諸経費

登記費用・不動産取得税・仲介手数料・ローン手数料・火災保険一括払いなどで、物件価格の約7〜10% が初期費用としてかかります。本計算機は中央値8%を採用。中古マンションは10%近く、新築マンションは4〜6%と幅があります。

4. 賃貸の年間維持費

  • 家賃年額 = 月家賃 × 12(家賃インフレ率を毎年掛け合わせ)
  • 更新料 = 2年に1回、家賃1ヶ月分(首都圏標準)
  • 火災保険 = 年1.5万円
  • 初期費用 = 家賃の4ヶ月分(敷金1+礼金1+仲介手数料1+前家賃1)

5. 物件価値の減価

n年後の物件価値 = 物件価格 × (1 − 減価率)^n

国交省「中古住宅流通市場の現状」と土地総合情報システムから、マンションの中古成約価格は年1〜2%緩やかに下落、戸建て建物部分は20年でほぼゼロというのが実勢です。本計算機の初期値はマンション基準で年1.5%。

6. 損益分岐の判定

持ち家net = 累計支出 − 物件残存価値

各年でこの「持ち家net」が「賃貸の累計支出」を初めて下回った年が 損益分岐年 です。これは「もしその年に売却したら、賃貸より総支出が少なく済む」最初の年を意味します。

ケース別の例

ケース1:30代会社員が4,500万円のマンションを購入(35年ローン・1.3%)

  • 物件価格 4,500万円、頭金 500万円、家賃比較 15万円/月
  • 30年居住・家賃インフレ1%・物件減価1.5%

→ 月ローン返済額 約11.9万円、損益分岐 約20〜25年目。30年居住なら持ち家側が約1,000万円有利。35年ローンを完済できる前提なら長期では持ち家が勝ちます。

ケース2:DINKsが転勤可能性を考慮、5年で引越し

  • 物件価格 5,000万円、頭金 500万円、家賃比較 15万円/月
  • 5年居住・家賃インフレ1%・物件減価1.5%

→ 取得時諸経費400万円+数年での減価が重く、5年では損益分岐に達しません。転勤可能性が高い間は賃貸が合理的

ケース3:地方郊外戸建て、減価が早い

  • 物件価格 3,500万円、頭金 700万円、家賃比較 9万円/月
  • 30年居住・家賃インフレ0%・物件減価3%(戸建て建物部分の劣化を想定)

→ 物件価値が30年で約4割まで目減りし、家賃が安いと 持ち家が損益分岐に達しない ケースもあります。地方戸建ては「住む場所として永住前提」の判断が肝。

よくある誤解・注意点

「ローン完済すれば家賃ゼロでお得」は半分本当

ローン返済が終わっても、固定資産税・修繕費・管理費は払い続けます。マンションなら月3〜5万円、戸建てなら年20〜30万円の維持費が一生発生し、これが「タダ住み」を妨げます。

「家賃は捨て金」は短期的には正しくない

賃貸の家賃は捨て金、持ち家のローンは資産形成、という単純な対立は短期では成り立ちません。物件価値の減価+取得時諸経費+固都税+金利を全部足すと、5〜10年では賃貸の家賃と大差がない(むしろ持ち家が高い)ケースは珍しくありません。

住宅ローン控除(減税)の影響

本計算機は控除を未反映ですが、2024年以降は長期優良住宅で最大455万円(35万円×13年)の減税があります。実態では 持ち家側に200〜450万円のハンデを与える とより正確な比較になります。

機会費用(投資に回した場合の利益)

頭金500万円を年利4%のインデックス投信で30年運用すると約1,620万円。これは「賃貸を選んだ場合、持ち家より浮いた頭金を投資に回せる」という潜在的なメリットです。資産形成全体で見るなら、家計の貯蓄率と運用先まで含めて検討してください。

売却の流動性

持ち家は「いつでも売れる資産」ではありません。売却までに3〜6ヶ月、不人気立地なら1年以上かかることもあり、仲介手数料(売買価格の3%+6万円)も差し引かれます。本計算機の「物件残存価値」はこの売却コストを引く前の数字なので、実際に手元に戻る金額は3〜5%下回ります。

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参考にしたデータ

免責事項

本計算機の結果は中央値ベースの概算であり、実際の損益分岐は地域・物件・税制改正・金利環境で大きく変わります。住宅購入は人生最大級の判断です。最終決定の前にファイナンシャルプランナーや不動産専門家への相談をおすすめします。

よくある質問

操作・計算根拠まわりでよく聞かれるポイント